お詫び広告の中で最近よく語られるのが、そのタイトル。現在「お詫びとお願い」や「お詫び」といったタイトルが目立ちますが、その内容は広告内容を読むまで分かりません。タイトルとは一目で内容がわかるためのものですから、「○○リコールについて」「回収のお知らせ」等、このスペースを使い消費者に何を伝えたいか鮮明にしましょう。
また、その広告内容に矛盾があると消費者の信頼を失うことになります。玩具事故で「子供の誤使用」を強調したり(=商品ではなく子供が悪いと訴えている)、「海外の基準では問題ない」(=暗に日本の基準が厳しすぎると訴えている)といった一文を添えるなど、企業のイメージを自らダウンさせている例も多々見られます。消費者はそういった「広告の中の一行」を見て企業の対応を見抜いています。
そして、広告の意図が鮮明でなくなるケースも避けるべきです。「食べても影響が少ない」と安全性を強調したり、「使用法によっては○○が発生する場合がございます」と誤使用を主張しては、お詫びの姿勢が色褪せてしまいます。
あくまでも「お詫び」ですから、消費者にわかりやすい広告にするために、どのような事故が発生したのか報告しましょう。商品の種類と型式をまず知らせ、使用中止を呼びかけると同時に電源コードを抜くなど、その方法も具体的に記載しておく必要があります。可能であれば販売店や販売数、販売時期も含めます。具体的な回収方法や連絡先を記載して完了となります。
起きてしまったことは企業にとってマイナスですが、そのマイナスイメージを少しでもプラスに変えるために、まずは企業の真摯な姿勢と、消費者にわかりやすい広告掲載を優先しましょう。